個人型確定拠出年金(401k)の年金受給時の税制解説。厚生年金等を受給している場合には基本的に税金が高くなります

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個人型確定拠出年金の税制上の優遇措置は、掛金支払時、運用時、受給時の3つの段階全てに及びます。

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年金受給時の税制のポイント

確定拠出年金の老齢給付金を年金として受け取る場合には、公的年金等に係る雑所得に該当します。

公的年金等に係る雑所得の計算方法は以下のとおりです。

(公的年金等の収入金額-公的年金等控除額)=公的年金等に係る雑所得

公的年金等に係る雑所得の税制のポイントは、「1.他の公的年金等と合算して計算」すること及び「2.総合課税」であることです。

1.他の公的年金等と合算して計算

確定拠出年金の老齢給付金を年金として受け取る場合には、公的年金等に係る雑所得に該当するのは上述のとおりですが、他にも公的年金等に該当するものがいくつかあります。

公的年金等に係る雑所得に該当する主な年金は以下のとおりです。

①.国民年金、厚生年金、共済年金

②.企業年金

ご覧のように公的年金等には、国民年金・厚生年金・企業年金等がが含まれますので、これらの年金と確定拠出年金を同年に受給している場合には合算して公的年金等に係る雑所得を計算することになります。

なお、個人年金保険は公的年金等には該当しません(個人年金保険は、公的年金等以外の雑所得となります)。

2.総合課税

確定拠出年金の老齢一時金や企業からの退職一時金は分離課税です。

分離課税とは、他の種類の所得と合算せず分離して税金を計算する方法です。

分離課税は他の所得と合算しないため、合算した場合よりも適用される税率が低くなり総合課税とする場合よりも基本的に税金が安くなります。

これに対して、雑所得は総合課税に該当します。

総合課税とは、他の種類の所得と合算して税金を計算する方法です。

すなわち、給与所得や不動産所得や公的年金等以外の雑所得等の総合課税の対象となる所得がある場合には、合算すると所得金額が大きくなるため、適用される税率が高くなり基本的に税金が高くなります。

所得税率
課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

公的年金等控除額の計算方法

公的年金等控除額の計算は、受給者の年齢が65歳以上か否かにより異なります。

受給者の年齢が65歳以上か否かの判定は、その年の12月31日における年齢により判定します。

65歳未満
公的年金等の収入金額(A)公的年金等控除額
130万円以下70万円
130万円超 410万円未満(A)×25%+37万5千円
410万円超 770万円未満(A)×15%+78万5千円
770万円超(A)×5%+155万5千円
65歳以上
公的年金等の収入金額(A)公的年金等控除額
330万円以下120万円
330万円超 410万円未満(A)×25%+37万5千円
410万円超 770万円未満(A)×15%+78万5千円
770万円超(A)×5%+155万5千円

設例

以下の例で公的年金等に係る雑所得を計算してみます。

年齢:62歳

国民年金:年額70万円

厚生年金:年額200万円

確定拠出年金:年額60万円

他の所得:なし

公的年金等の金額

70万円(国民年金)+200万円(厚生年金)+60万円(確定拠出年金)=330万円

公的年金等控除額

330万円×25%+37万5千円=120万円

公的年金等に係る雑所得

330万円-120万円=210万円

所得税額

210万円×10%-9万7500円=11万2500円(簡便化のため復興特別所得税は考慮していません。)

他に住民税が21万円(=210万円× 10%)掛かります。

公的年金等は税金が高くなる可能性もあります

公的年金等は、公的年金等控除により税金があまり高くならないように配慮されています。

しかし、上述したように公的年金等に係る雑所得は、公的年金等を合算して計算し、総合課税であることから税金が高くなる可能性があるのです。

すなわち、確定拠出年金、国民年金、厚生年金、企業年金等の公的年金等は、個別には少額でも合算すると公的年金等に係る雑所得がそれなりに多額になる可能性があります。

また、公的年金等以外に、給与所得や不動産所得や公的年金等以外に係る雑所得がある場合には、さらに所得金額が多くなってしまいます。

確定拠出年金は、掛金の拠出時及び運用時の税制上のメリットが非常に大きいため、老齢給付金の受給時(一時金や年金)に多少税金を支払っても有利な制度であることは間違いありません。

しかし、特に高所得者は老齢給付金の受給時に、ある程度税金を支払う可能性が高いことは理解しておく必要があります。

ではでは。

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