個人型確定拠出年金(401k)の老齢一時金の税制解説。まずは老齢一時金の税制の基礎を理解しよう

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個人型確定拠出年金の税制上の優遇措置は、掛金支払時、運用時、受給時の3つの段階全てに及びます。

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このうち最も解りづらいのは受給時の税制です。

今回は、受給時の税制のうち老齢給付金の一時金(老齢一時金)の税制を解説します。

老齢一時金の受給時の税制(他に退職一時金がない場合)

今回は、老齢一時金以外に退職一時金がない場合について解説します。

老齢一時金以外に企業等から一時金を受給している場合は、税制が非常に複雑になり解説が長くなるので別記事にします。

税金計算の基礎となる金額(退職所得金額)

老齢一時金には税金が課されますが、老齢一時金の金額からそのまま税金が計算される訳ではありません。

退職金は、老後の生活を支える大切な資金なので、税金が安くなるような設計となっているのです。

具体的な計算は以下のとおりです。

(老齢一時金の額 - 退職所得控除額)×1/2= 退職所得金額

この退職所得金額に基づいて税金が計算されます(分離課税)。

「退職所得控除額」があること及び「1/2」を乗じていること並びに分離課税であることにより、税金が安くなるのです。

分離課税とは、他の所得金額と合算せずにその所得単独で税額を計算することです。

退職所得控除額の算定

退職所得控除額は、以下のように算定します。。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数(最低80万円)
20年超800万円+70万円×(勤続年数-20年)

※ 勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げます。

なお、確定拠出年金の場合には、勤続年数ではなく掛金拠出期間に基づいて退職所得控除額を計算します。

退職所得金額の算定

退職所得控除額が算定出来たら、上記の式にあてはめて、退職所得金額を算定します。

老齢一時金の税金の算定

退職所得金額を算定したら、以下の表にあてはめて税金の金額を計算します。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円
税金計算の具体例

以下の例で老齢一時金の税金を計算してみます。

老齢一時金:1850万円

掛金拠出期間:25年6ヶ月

退職所得控除金額の計算

25年6ヶ月 ⇒ 26年(1年未満切り上げ)

800万円+70万円×(26年ー20年)=1220万円(退職所得控除額)

退職所得金額の計算

(1850万円-1220万円)×1/2=315万円(退職所得金額)

税金の計算

3,150,000円 × 10% - 97,500円 = 217,500円(簡便化のため復興特別所得税は考慮していません。)

他に住民税が315,000円(=3,150,000円× 10%)掛かります。

退職所得控除を上手に利用することにより節税が可能

上記の老齢一時金の税金計算の仕組みを理解すると、税金を安くするためには退職所得控除額が重要になってくることが分かると思います。

退職所得控除額は、掛金拠出額に関係なく単純に掛金拠出期間から算定されますので、例えば受給時期が近づいてきたときに、最低額を拠出し続けることにより、退職所得控除額を大きくすることが可能な場合もあります。

今回は、老齢一時金は税制の基礎を理解して貰うために、会社等からの退職一時金がないことを前提としています。

しかし、改正により加入条件が緩和されたため、今後は会社員や公務員の加入者が増えると予想されます。

そのため、次回は会社等からの退職一時金がある場合の解説をしたいと思います。

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ではでは。